プールでの出来事(1) 2009.12.18 Fri
純一がひとりで市民プールに来たのは、夏休みが終わるまでに25メートル泳げるようになろうと思ったからだった。
もう今日はこのくらいにして帰ろうかと思い、脱衣場に向かう。
来たときとは打って変わって、脱衣場はがらんとしていた。

シャワーはぬるくて、さっと浴びてすぐにでた。シャワールームに来たときはほかには誰もシャワーを使っている様子はないようだったのに、いちばん奥に人の気配がする。
でもシャワーの音はしない。
ふと気になって奥まで行ってみるとシャワーカーテンの隙間から人影が見えた。
紺のarenaのパンツからケツが半分見える。
この柄は・・・となりのレーンで泳いでいた人じゃないだろうか。
たしか、きれいなフォームですいすいと泳いでいた人だ。
プールから上がるときに背中と腕の筋肉がピッと張って、競泳パンツのもっこりが気になっていたのだった。
顔は童顔で自分とそんなに年も違わないように思えた。
いまシャワーカーテン越しに見えるからだはやはりさっきの人だ。
でもシャワーも浴びないでこんなところで何をしているんだろう。
え、もしかしたら・・・
その時だった。
彼は振り向いた。

「なに、みてんだよ」
あわてて純一は後退りしたが、腕をつかまれ、シャワーブースに引きずり込まれる。
「男の裸をいつもそうやって覗き見してんのか?」
純一は何も言えない
「答えろや、おまえ、中学生か、何年だ」
「3年です」
か細い声で答える。自分でも声がひきつっているのがわかった。
・・・つづく
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